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こんにちは!Bible Studyディレクターの塚本良樹です。

山崎ランサム先生の第四回目のコラムです。ブログもぜひ!

「ルカ・使徒を読もうよプロジェクト」もお忘れなく~

今週の通読箇所(11/20-26):ルカ22~24、使徒1~4 or ルカ10~12


ルカが語る福音の物語④「『みことば』の書」

どのような本であっても、序文というのは、その本を理解するために欠かせないものです。序文には、その本が何について、どのような目的で書かれたのかが記されています。今回は、ルカ文書(ルカの福音書と使徒の働き)の序文を見てみましょう。

「私たちの間ですでに確信されている出来事については、初めからの目撃者で、みことばに仕える者となった人々が、私たちに伝えたそのとおりを、多くの人が記事にまとめて書き上げようと、すでに試みておりますので、私も、すべてのことを初めから綿密に調べておりますから、あなたのために、順序を立てて書いて差し上げるのがよいと思います。尊敬するテオピロ殿。それによって、すでに教えを受けられた事がらが正確な事実であることを、よくわかっていただきたいと存じます。」(ルカ1章1-4節)

この序文を見て気づくのは、そこではイエス・キリストについては一言も触れられていないということです。福音書の冒頭でルカは、読者のテオピロにこれから書こうとする物語の中心的主題について述べているはずですが、「福音書」というタイトルから想像されるような、イエスの名前はここには出てきません。

すでにこれまでのコラムで見てきたように、ルカの福音書と使徒の働きは二部作の形式をもつ一つの物語です。ですから、ルカ1章1-4節は福音書だけの序文ではなく、使徒の働きも含めたルカ文書全体の序文であると言えます。

それでは、ルカがこの序文で述べている、ルカ文書の全体を貫く中心主題とはいったい何でしょうか?

私はそれは「みことば」であると思います。原文では「ロゴス」というギリシア語が使われていますが、ここでは冠詞付きの単数形(英語で言えば“the word”)が使われており、ある特定のメッセージ、つまり「福音」を表しています。そこにはもちろんイエスの教えやみわざも含まれますが、ルカの関心はそれだけでなく、イエスの働きを引き継いだ教会がどのようにこの福音を宣べ伝えていったか、にもあります。ルカ文書はまさに「みことばの書」「福音の書」ということができるのです。


☆さらに学びたい方は山崎ランサム和彦先生のブログへ

鏡を通して - TROUGH A GLASS -

第一回目「ルカ文書への招待 (1)」

第二回目「ルカ文書への招待 (2)」

第三回目「ルカ文書への招待 (3)」