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こんにちは!Bible Studyディレクターの塚本良樹です。

山崎ランサム先生の第三回目のコラムです。ブログにはさらに詳しい内容も載っているので、そちらもぜひ!

「ルカ・使徒を読もうよプロジェクト」もお忘れなく~

今週の通読箇所(11/13-20):ルカ15~21 or ルカ7~9


ルカが語る福音の物語③ 「ルカ文書の著者と読者」

今回は、ルカ文書の著者と読者について考えて見たいと思います。キリスト教会では伝統的に、テオピロに宛てて書かれた二つの新約文書を書いたのは、ルカという人物であったと考えてきました。このルカはどのような人だったのでしょうか?

使徒の働きの、パウロの伝道旅行を記した部分には、「私たち」という二人称複数形で書かれている箇所があります(たとえば使徒16章10節以降)。これらは、同書の著者が実際にパウロに同行して自ら見聞きしたできごとを記している部分と考えられます。つまり、ルカはパウロに同行した人物でした。実際、パウロの手紙にはルカの名が三度登場します(コロサイ4章14節、ピレモン24節、2テモテ4章11節)。コロサイ4章14節(「愛する医者ルカ」)からは、彼が医者であったことが分かります。

ルカはたいへん洗練されたギリシア語を書く、高い教養を持った人物であり、おそらく新約聖書記者の中で唯一の異邦人(つまり非ユダヤ人)クリスチャンでした。同時に、彼は旧約聖書とユダヤ教に関する豊富な知識も持っていました。

ルカはその二部作をテオピロと呼ばれる人物に宛てて書いています。これは「神に愛された者」という意味のギリシア語の名前で、おそらく彼も異邦人クリスチャンでした。ルカ1章3節では「尊敬するテオピロ殿」と呼びかけられており、社会的に高い地位にあった人物と考えられます。ルカが書いた本の出版を援助したパトロンだったのかもしれません。

けれども、ルカはただテオピロ個人だけのためにこの二部作を書いたのではなく、彼が属する教会に向けてそれを書いたと考えられます。そのメンバーの多数派はおそらく異邦人クリスチャンだったでしょう。

異邦人クリスチャンが主に異邦人から構成される教会に宛てて書いた福音の物語――ルカ文書の存在自体が、福音がユダヤ教の民族的枠組みを超えて異邦人にも伝えられて行ったという、ルカによる物語の生きた証しとなっています。それは、異邦人クリスチャンが大多数を占める今日の私たちにとっても、大きな意味を持っているのです。


☆さらに学びたい方は山崎ランサム和彦先生のブログへ

鏡を通して - TROUGH A GLASS -

第一回目「ルカ文書への招待 (1)」

第二回目「ルカ文書への招待 (2)」